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間質性肺炎の初期症状は発熱?治療方法も分かりやすく解説

<監修医師 ドクターTST>
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間質性肺炎は、肺胞の間の隔壁および周辺組織である間質に炎症が起きる肺炎です。通常の肺炎は細菌感染等により肺胞の中に炎症を起こします。

間質性肺炎は様々な病気のタイプがありますが、どのタイプも治療が困難な病気です。

 

今回は間質性肺炎の症状、そして治療方法についてご説明いたします。

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間質性肺炎の初期症状

 

間質性肺炎は様々な病気のタイプがあり、進行する速度も症状の重さも様々です。中には全く原因が分からず、急に症状が現れて救急搬送される場合もあります。

 

間質性肺炎の症状として代表的な症状は呼吸困難、息切れ、空咳(からせき)、発熱、ばち指です。

その他にも全身倦怠感、疲労感、体重減少等があり、インフルエンザとよく似ている症状が現れる事もあります。

 

予後の悪い病気であり、きちんとした治療を受ける必要があります。回復までには長い時間をかける覚悟が必要です。まず間質性肺炎の初期症状についてご説明いたします。

 

呼吸困難、息切れ

いくら息を吸っても、酸素が入ってきているように感じないという息苦しさが現れます。

最初は安静時には感じない事が多く、階段や坂道をのぼる時等に感じるようになります。

 

症状が進行するにつれて、平坦な道を歩いている時や入浴中、排便中等の日常生活の動作でも感じるようになります。

 

やがて着替え等でも息切れを起こすようになり、日常生活に支障をきたします。病気のタイプにより、進行のスピードも違います。

急性の病型以外は症状が現れ始めてから、日常生活に支障をきたすようになるまで数年程度かかります。

 

空咳

痰の出ない乾いた咳が季節に関係なく持続的に出るのが特徴です。急いで息を吸い込んだ時や冷たい空気を吸い込んだ時等にもせき込む事が多いです。

 

病気が進行する事により、咳もひどくなり体力を消耗してしまいます。間質性肺炎が進行していくと、肺が線維化する肺線維症となります。

炎症により肺胞壁は肥厚し、肺全体もだんだん固くなっていきます。

肺線維症にかかると、胸部レントゲンを撮った際に、肺に白い靄がかかったような状態に見えます。

 

また自覚症状が現れた時には重症化している場合が多いですので、早めの受診をしてください。

 

発熱

間質性肺炎は様々な病気のタイプがあり、それぞれ進行のスピードや症状の重さも異なります。

発熱の症状が現れる間質性肺炎は経過の早い間質性肺炎です。

 

重症度の高いタイプの間質性肺炎に起きる症状ですので注意が必要です。またインフルエンザのように咳・発熱・全身倦怠感・疲労感として現れる場合もあります。

 

それから風邪のような症状が現れた数日後、急に呼吸困難に陥る場合もあります。

少しでも異変を感じたら、すぐに受診してください。

 

全身倦怠感・疲労感・体重減少

先程も述べさせて頂きましたが、インフルエンザのような発熱を伴う全身倦怠感や疲労感等の症状が現れます。

 

その後間質性肺炎の症状が急激に現れる可能性がありますので、注意が必要です。また持続する息切れや咳により、全身倦怠感・疲労感・体重減少が現れます。

 

咳がひどく続く場合には体力を消耗してしまい、体重が急激に減少する場合があります。

 

ばち指

目に見える所見としては、ばち指があります。通常、手の甲を上に向けて指を横から見た場合に、指と爪の付け根は一直線もしくは少し谷のようにくぼんでいます。

 

ばち指の場合には、指が太くなり、爪の付け根部分が盛り上がった状態となり、くぼみがなくなります。

またばち指は痛み等の症状はありませんが、重大な病気の症状として現れる症状です。

 

薬の服用が原因で発症する場合

間質性肺炎は原因不明なことが多いですが、いくつか考えられる原因の一つに「薬の服用による副作用」が考えられます。

原因薬剤として可能性があるのは、ブスルファン・シクロフォスファミド・ブレオマイシン・ペプロマイシン・インターフェロンなどです。

ただしこれらの薬を服用する場合、処方する医師も「副作用が起きる可能性」を予見していますので、病気を発症した場合の発見は比較的早くなります。

 

どうやって診断するの?

いくつか当てはまる症状があった場合、病院を受診した方がいいでしょう。

しかしどのように診断するのか、判断基準がハッキリ分からないと不安ですよね。

間質性肺炎かどうかは血液検査とレントゲン検査を組み合わせて行います。

自覚症状がはっきりと出る頃には、検査で病気かどうかの診断は容易く出来るようになっています。

 

合併症はあるの?

特に、「特発性間質性肺炎は初診時からの平均生存期間は5~6年くらい」といわれるほど難しい病気で、「治るのか」と問われると、はっきりいって予断を許さない病気としか言いようがありません。

肺がんや肺気腫を合併すると、なくなる場合も多い病気です。

特に間質性肺炎を発症した喫煙歴のある人に肺がんが合併しやすいとも言われています。

早めに自分の身体の異変に気がつくことが重要です。

 

肺がんの初期症状についてはこちらも参考にして見て下さい。
【関連記事】

 

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間質性肺炎の治療方法

 

続いて間質性肺炎の治療方法についてです。病気のタイプによって、進行のスピードが数週間で急激に悪化するものから、数年で進行していくものまで様々です。

それによって治療方法も異なってきます。

 

特発性間質性肺炎は特定疾患に分類されており、病態や治療方法等について今も研究中です。

特発性肺線維症以外の間質性肺炎の場合には、治療効果が期待できます。

 

ただし、特発性間質性肺炎の多くは年単位で進行する慢性化の状態が多く、慢性化の場合には治療効果は不十分です。

年単位で進行していき、数年で呼吸不全が進行してしまいます。

 

現在の間質性肺炎の治療方法として効果が認められている薬剤は2種類あります。1つは副腎皮質ステロイド剤、もう1つは免疫抑制剤による治療です。

これらの治療法について詳しくご説明いたします。

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副腎皮質ステロイド剤

薬物治療が有効である間質性肺炎に使用されます。炎症やアレルギー等の異常な免疫反応を強く抑えます。

 

症状の重さにより、ステロイドパルス療法という点滴でのステロイド剤の使用を行う場合があります。

 

最初はまず炎症を抑える為に大量にステロイド剤を使用し、徐々に量を減らしていきます。

ただ副腎皮質ステロイド剤には効果もありますが、多くの副作用もあります。

 

副作用として、胃潰瘍・骨粗鬆症・糖尿病・血栓・動脈硬化・高脂血症・白内障・緑内障・・むくみ・不整脈等の副作用があります。

また免疫反応を抑える為に、風邪やインフルエンザ等への免疫力も低下し、感染症にかかりやすくなってしまいます。

 

間質性肺炎の場合には風邪等にかかった後に急性憎悪を起こし、急激に症状が進行する場合もありますので、注意が必要になります。

 

免疫抑制剤

間質性肺炎の場合には免疫抑制剤とステロイド剤(プレドニン)を併用する形で使用していきます。

免疫抑制剤は免疫の異常やアレルギー反応によって引き起こされる自己免疫疾患の治療に使用します。

 

ステロイド剤は最初に大量に使用しますが、免疫抑制剤は反対に最初は少なく、徐々に量を増やしていきます。

ステロイド剤の治療では減らしていく最中に再発・悪化をする可能性が高く、それを抑える為に免疫抑制剤を増やしていきます。

 

ただ、免疫抑制剤にも多くの副作用があります。白血球減少・腎機能障害・高血圧・高脂血症・肝機能障害・多毛症・悪性腫瘍・への影響等の副作用があります。

 

ステロイド同様免疫力の低下により、感染症にかかりやすくなりますので、注意が必要です。

 

対症療法・酸素療法

副腎皮質ステロイド剤と免疫抑制剤による治療に効果がある病型と、効果がない病型があります。

どちらも薬剤による副作用が多い為、進行が緩やかな場合には対症療法を行います。

 

咳がひどい場合には咳を鎮める薬を使用します。また血液中の酸素が不足して、日常生活に支障が出る場合には酸素投与による酸素療法を行います。

在宅での鼻からの酸素吸入や、外出時には小型の酸素ボンベを使用します。

ただし症状が急性の場合は、入院した上で人工呼吸器を使用しながら同時に治療を行う場合もあります。

入院期間については症状によりまちまちです。

人によっては人工呼吸器に繋いだまま、症状が悪化してそのまま退院できなくなる場合もあります。

長い戦いを覚悟した方が良いでしょう。

 

酸素療法についてはこちらを参考にして見て下さい。

【関連記事】

日常生活を取り戻す在宅酸素療法とは【注意点や適応を詳しく解説】

 

リハビリテーション

薬を使用した治療法と同時に、呼吸法のリハビリテーションも重要になります。

弱体化した横隔膜の機能を補うための呼吸法改善です。

口をすぼめる風船を膨らませるような動作のリハビリテーションが効果を発揮します。

 

横隔膜の位置や主なトレーニング方法についてはこちらも参考にして見て下さい。

【関連記事】

横隔膜の場所はココ!【収縮させる呼吸法をしっかりマスター】

 

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まとめ

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間質性肺炎は様々な病気のタイプがあり、原因のわかるものから原因不明のものまであります。

遺伝性があるとも言われていますが、まだ研究の途中でハッキリとした因果関係は分かっていません。

原因のわかるタイプのものに関してはまず原因を取り除く事が必要です。

 

喫煙をしている方はすぐにたばこを吸うのはやめてください。間質性肺炎は喫煙との関係が非常に深い病気です。

 

そして急性憎悪をさせない為に、感染症予防も必要不可欠です。マスク・手洗い・うがいをして感染症を防ぎましょう。

また食事にも注意が必要です。

免疫力が低下すると症状が悪化する可能性があるため、栄養のバランスに気を付ける必要があります。

飲酒は可能な限り避けましょう。

少しでも何らかの異常を感じたらすぐに病院に行き、医師の指示に従ってください。

間質性肺炎は難しい病気ですが、対処が早ければ早いほど完治する確率は上がります。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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